「初心者の私が
MMOを始めた
理由があるんです!」
作者 [ 白月 ナギ ]
キャラ設定
神崎鈴音(かんざき すずね)16歳
高校2年生 ♀
160㎝ 肩までの茶色のショートカットに
茶色の瞳の女の子。
MMO初心者。引っ込み思案なところが
あり、なかなか一歩が踏み出せないが、
いざというときは強い。
ゲーム名:リン 種族:エルフ
職業:メイジ(魔法使い)
武器:ロッド
月城 奏(つきしろ かなで)16歳
高校2年生 ♂
176㎝ 黒髪に黒目の爽やかイケメン。
幼稚園の時、鈴音と陽一と仲が良かったが、
親の都合で引っ越し離れ離れに。
スポーツ万能な少年。
意外に気が小さいので勇者に憧れている。
ゲーム名:アーサー 種族:人間
職業:ファイター(戦士)
武器:片手剣
藤堂 陽一(とうどう はるいち)16歳
高校2年生 ♂
180㎝ 長い金髪を後ろで一つくくりに
している、碧眼の青年。
帰国子女でアメリカと日本のハーフ。
ものすごくチャラい。いつもまわりに
女の子を侍らせている。
女の子には優しい。
ゲーム名前:???
ルイ 年齢不明 性別は男。
140㎝ ♂
黒い毛並みに青い瞳の二足歩行の黒猫。
MMOの中のお助けお供キャラ。
リンが最初に困っているときに助けて
くれた。毒舌だし、暴力振るうし、
やりたい放題だが、いざというときは
ちゃんと助けてくれる。
種族:ニャント族 職業:シーフ(盗賊)
武器:ナイフ
ストーリー設定
主人公の鈴音は引っ込み思案な女の子。ある日鈴音の高校に幼稚園の時に引っ越してしまった幼馴染、月城 奏が転校してくる。
もう一度、奏と仲良くなりたい鈴音だが、奏は、あっという間に人気者になってしまい、なかなか近づけない。
どうしようと思い悩んでいるときに、奏がMMOというゲームにはまっていることを偶然耳にする。
そのゲームをすれば、仲良くなれるきっかけになるのではと思い、ゲームを手に入れ、プレイし始める。
が、ゲーム初心者の鈴音にはとてもついていけない。あわや雑魚モンスターに倒されかけるところを、謎の猫ルイに助けられる。
そして、報酬と引き換えに、ルイが自分のお供キャラになることが決定される(強制)。
第一話 MMOを始めます!
鈴音・自宅
鈴音「やっと・・・手に入れました!!!」
N:鈴音は喜びを抑えきれないといった様子で、自宅の自分のベッドの上に置かれた機械(マシ―ン)を見つめた。
それはヘッドギアと呼ばれる、MMOダイブ専用機械。MMOとは一つの仮想世界に大多数の人間が同時に
ログインしてフィールド上を一緒に 冒険することを体感できる、現代の若者の間でとても流行している
オンラインゲームのことである。
鈴音「せっかくお父さんに無理言って手に入れてもらったんだから、早く始めないとです!
奏君に追いつけなくなってしまいます・・・。」
N:鈴音はさっそく、ヘッドギアを装着してベッドに横になり、目を閉じて、ある言葉を呟く。
それは、現実世界から仮想世界への扉を開く、魔法の言葉。
鈴音「ダイブ・エンゲージ!です!!」
N:そして、鈴音の意識は深く沈んでいった。
MMO世界
N:鈴音の意識が戻り、目を開けるが、あたりは真っ暗で光一つ見えない。
鈴音「え?え?」
N:鈴音が戸惑っていると、突然、どこからか、機械的な女性の声が響いてきた。
システム「ファンタジー アース オンラインの世界へようこそ!」
鈴音「ひゃいいい!!」
N:鈴音の悲鳴など聞こえていないかのように、女性の声は続く。
システム「まず最初に、あなたのお名前を登録してください」
鈴音「名前?えと、神崎 鈴音(かんざき すずね)です。」
システム「では次に、ゲーム内でのお名前を登録してください。」
鈴音「ゲーム内での名前?あ・・こういうのって本名じゃないほうがいいんですよね。
じゃあ・・・リンでお願いします!」
システム「あなたのゲーム内での性別は男ですか?女ですか?」
鈴音「えと、女です。」
システム「では次に、種族を選択してください。」
鈴音「種族?え、何がいいんでしょう。」
システム「種族は、人間、エルフ、ドワーフ、獣人、魔人などがございます。
人間は全体的に平均的な能力を持っており、エルフは弓や精霊魔法に長け、
ドワーフは器用さを持ち、獣人は強靭な肉体を、魔人は強大な魔力を持っています。」
N:鈴音の目の前にいろんな種族の女性のホログラムが展開される。
鈴音「うーん、どうしましょう・・・・。 獣人も可愛いですけど、エルフも可愛いですし・・・。
迷います・・・。お、おすすめとかってないんですかね?」
システム「ちなみにあなたにおすすめする種族はエルフです。」
鈴音「エルフ!はい、じゃあ、それでお願いします!」
システム「次に職業を選択してください」
鈴音「へっ!まだあるんですか!?」
システム「はい。職業の次は武器・装備etcを選択していただき・・」
システム音にかぶるように、鈴音。
鈴音「・・・うーっっっ、わかんないです!もう、おまかせで!」
システム「かしこまりました。それでは、オートで ランダムに選択させていただきますが、よろしいですか?」
鈴音「はい!お願いします!」
システム「ランダムで選択させていただきました。こちらでよろしいですか?」
鈴音「はい!」
システム「では、○○はお付けしますか?」
鈴音「はい!」
システム「本当にお付けしますか?つけるとなると・・・」
鈴音「はい、はい、つけます!それでいいですよう。もう、はやく終わってくださいお願いしますううう。」
システム「かしこまりました。それでは、ファンタジー アース オンラインの世界をお楽しみください。」
N:鈴音の目の前が真っ白になり、 次に目をあけると、そこには真っ青な空と一面の草原が広がっていた。
鈴音「う・・わぁああああ!!!空があります!それに、風も感じます!
これが、ほんとにゲームの世界なんて、信じられないで・・・キャッ!」
N:鈴音がMMOの世界に圧倒されていると、ドンッという重い衝撃が鈴音の背中を襲い、鈴音は転んでしまった。
鈴音「な、なんですか・・ひっ!」
N:鈴音が手を地面につきながら振り返ると、そこには青いプルプルとしたゼリーのような物体が・・・
鈴音「こ、これは世にいうスライムでは!?あ、ぶ、武器は・・・」
N:手元には木製のロッドがあるが・・・
鈴音「やーっ、こないでくださいっ!」
N:ゲーム初心者の鈴音はロッドを無茶苦茶に振り回すことしかできない。
そんな攻撃が通じるわけもなく、スライムはどんどん鈴音に近づいてくる。
鈴音の頭にはゲームオーバーの文字が浮かぶが、その時!
ルイ「ファイアボール!」
N:どこからか拳大の炎の球がスライムに炸裂し、スライムは瞬時に消え失せた。
ルイ「ぼさっとすんな、このブスッ!」
鈴音「ふぇ!?ぶ、ブス?」
N:声のする方に振り向いた鈴音はその衝撃に思わず固まる。
そこに立っていたのは、ピンと尖った耳、ふさふさと風になびくお鬚に黒いしっぽ・・・しっぽ?
鈴音「ね、ねねね、猫がしゃべってますー!?」
鈴音N:これが私とルイの出会いでした。
────第一話─完────